WISC(ウィスク)検査って何?検査結果でわかることとは

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子どもの得意・不得意な部分や発達状況を知ることができるWISC(ウィスク)検査を知っていますか?

世界20カ国以上で使用されていて、日本でも知能検査のひとつとして有名な検査です。
今回は、WISC検査がどのように行われるのか、検査で何がわかるのかを解説します。

WISC検査とは

WISC検査とはウェクスラー式知能検査のひとつで、70年以上の歴史をもっている信頼性が高い検査です。

WISC検査は児童を対象にした検査で、幼児向けはWPPSI(ウィプシ)、成人を対象にした検査はWAIS(ウェイス)と呼ばれる検査があります。
いずれの検査も、公認心理士や臨床心理士と呼ばれる専門家と受検者(検査を受ける対象の人)が1対1で行われ、所要時間は60~90分程度です。

検査を行う理由

子どもが同じ年齢の子どもたちと比較して知能の発達はどうなのか、得意・不得意な部分があるのかどうか知ることを目的に検査を行います。
小学校入学前のタイミングで知っておきたいと考え、検査を受けることがあるようです。

子どもの得意なこと、不得意なことを把握することで、伸ばしていくべきポイントを知ることができます。
また、結果次第で環境を整えたり、関わり方を見直したりと、子どもの発達を考えて、生活面で工夫できる部分がわかることもあります。

WISC検査の内容

では、WISC検査とは実際どのようにして実施されるのか見ていきましょう!

速ドッグロボ

今回はメインに実施されているWISC-Ⅳという検査をご紹介します。

対象年齢

前述したように、WISC検査の対象はおもに小中学生で、対象年齢は5歳0か月から16歳11か月です。
参考までに、他の検査の対象年齢もご紹介します。

WPPSI 2歳6か月~7歳3か月(幼児)
WISC 5歳0か月~16歳11か月(児童)
WAIS 16歳0か月~90歳11か月(成人)

受けられる場所

検査を受けられる場所はさまざまで、支援センターや学校といった公的機関、小児科や児童精神科といった医療機関などが挙げられます。

検査にかかる費用や保険適応の有無については、検査を受ける場所によって異なります。
それぞれの場所でメリットもあるので、検査を受ける場合は検討してみましょう。
(相談する場所によって違う種類の検査を紹介される場合もあります)

医療機関
小児科、児童精神科

子どもの行動や知能の部分で気になっている点の原因を調べるための手段として、WISC検査を実施します。
しかし主治医が必要と判断したときのみ実施されます。

公的機関
支援センターや学校など

これから子どもが生活していく上で、どういう支援を受けるのが良いかを考えるために検査を実施します。
教育委員会などと連携していることが多いため、支援が必要な場合の対応がスムーズです。

民間機関
カウンセリングセンターなど

公的機関や医療機関では予約がなかなかとれないという場合が多いようですが、民間機関では予約がとれやすいこともあるようです。
オンラインのカウンセリングがあったり、夜間に受けられたりする施設もあります。

検査内容

WISC-Ⅳ検査には10種類の基本検査と、必要な場合に行われる5種類の補助検査の計15検査で成り立っています。
検査結果では、認知能力を表す全検査IQと、「言語理解」、「知覚推理」、「ワーキングメモリ」、「処理速度」のそれぞれを数値化されます。

それぞれどのような内容なのか見ていきましょう。

全検査IQ

「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリ」「処理速度」の4つの指標の合計点を合わせたものから得られる得点
全体的な認知能力

言語理解

言語による理解・推理・思考力についての指標

基本検査項目 類似・単語・理解
補助検査項目 知識・語の推理

知覚推理

視覚的な情報を把握して理解したり、体を動かしたりする力についての指標

基本検査項目 積木模様・絵の概念・行列推理
補助検査項目 絵の完成

ワーキングメモリ

情報を一時的に記憶して、処理する能力についての指標

基本検査項目 数唱・語音整列
補助検査項目 算数

処理速度

視覚的な情報を処理する速さについての指標

基本検査項目 符号・記号探し
補助検査項目 絵の抹消

参考:WISC™-IV知能検査|日本文化科学社

検査では全検査IQと全ての指標得点を合わせた5つの合成得点がわかります。
合成得点では評価点の平均を100として、上下のばらつきを割り出し、得意不得意な部分や知的発達の状態を把握していきます。

検査の問題内容は非公開となっています。
問題を公開してしまっては、正しい検査結果を出すことができないからです。

また、一度受けると問題の内容を知ってしまっている状態になるので、再度受ける場合は3年ほど期間を空けて受けるのが良いとされています。

WISC検査の結果が出たら

検査結果の見方

検査結果は3つの項目に分けられます。
「合成得点」「パーセンタイル」「信頼区間」という項目ですが、それぞれどのような内容なのか見ていきましょう。

合成得点

合成得点の数値は、IQと呼ばれる数値とほぼ同じと考えて良いでしょう。
平均を100として、そこからの差を見ていきます。

130点以上 非常に高い
120~129点 高い
110~119点 平均より上
90~109点 平均
80~89点 平均より下
70~79点 低い
69点以下 非常に低い

WISC検査では、DIQという「同年齢の子どもの知能レベルの中でどのあたりに位置するのか」という数値がわかります。

パーセンタイル

全体を100としたときの位置づけが数値で示されます。
数値が大きいほど知能指数が高く、小さいほど知能指数が低いことを表します。

信頼区間

同じ内容の検査を行ったときに、結果に誤差が生じる可能性を推定し、数値で表したものです。
検査は、その日の心理状態や健康状態にも左右されることがあるため、誤差が生じてしまうこともあります。
信頼区間では、今回受けた検査とは別に、推定の検査結果としての知能指数がわかります。

結果次第で気をつけること

検査結果が出たとき、結果次第でどのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。
検査結果でわかる「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリ」「処理速度」の各指標で考えてみましょう。

言語理解

  • 話の内容が理解できない
  • 自分の気持ちを言葉にして伝えることが困難である
  • 何かを伝えたり、説明したりするときに言語化できず、伝わりにくい

知覚推理

  • 片付けや準備が苦手である
  • 漢字などの文字を書いたり覚えたりすることが苦手である
  • 算数の応用問題が解けない

ワーキングメモリ

  • 自分が言ったこと、伝えたことを忘れる
  • 忘れ物が多い
  • 集中力に欠ける
  • 注意散漫である

処理速度

  • 黒板などに書かれた内容を書き写すのが苦手である
  • スケジュール管理が苦手である
  • きちんとできていない、だらけていると思われがちである

それぞれの結果で苦手なこと、できないことが挙げられますが、不得意ということでひとくくりにしてしまっては、学校などでの集団生活で過ごしにくさを感じたり、勉強にも支障が出たりと、日々の生活にも生きづらさを感じてしまいます。

数値が低い場合に生じる困りごとを事前にわかっておけば、今後の過ごし方やサポート方法の検討がスムーズです。

不得意な部分を高めることはできる?

WISC検査の結果で分かった不得意な部分はトレーニングして高めることも可能です。

日本速読解力協会の提供する「思考力講座」では、WISC検査でわかる結果のうち「ワーキングメモリ」「処理速度」「言語理解」「知覚推理」のパフォーマンスを高める脳力トレーニングを搭載しています。

ゲーミフィケーション要素を取り入れており、トレーニングをナビゲートする速ドッグロボが登場したり、自分のアバターが作れたりします。
これらは楽しくトレーニングに取り組めるだけでなく、継続のモチベーションにもなります。

思考力講座は全国で開講しています。
ぜひ近くの教室を検索し、トレーニングを体験してみてください。

まとめ

WISC検査は信頼度の高い世界的に有名な知能検査のひとつ

  • WISC検査は5歳0か月~16歳11か月の児童を対象にした知能検査
  • 子どもの知能の発達や得意・不得意な部分を客観的に知ることができる
  • 検査結果を受けて、適切なサポートや過ごし方を検討することが大切

WISC検査は、子どもの得意・不得意なことがわかったり、発達で気になる部分の要因がわかったりと、今後の関わり方にも大きく影響する部分を知るために役立ちます。
集団生活が始まる小学校入学前は検査を受ける良いタイミングにもなります。
もし普段の生活などで少しでも気になる場合や、子どもの現状を把握したいと感じたときは、医療機関や公的機関などに相談してみましょう。

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